2011年6月24日金曜日

企業・組織は志を遂げる手段

6月23日付けの日本経済新聞(集中講義「企業を考える」)で 三品和広神戸大学教授が「生え抜き経営者(最初から企業に所属して役員になった経営者)と創業期の企業家とは決定的に特性が異なっている」と述べています。
「創業期の企業家たちは 事業を推進するための手段として企業を位置付ける。それに対して 生え抜きの経営者たちは 企業を維持するための手段として事業を位置付ける。この主従逆転に伴って 経営戦略論が勃興することになったのである」と 経営管理論に代わって経営戦略論が隆盛を極めた理由を挙げています。
この主従逆転=目的の手段化は 経営者にとって厳に戒めなければならない落とし穴です。
創業経営者であっても 立ち上げの「志」(理念やミッション)を見失うと 同じ陥穽に陥ります。
氏は「企業が経営戦略の必要性を感じること自体 苦悩の表れに他ならない。往々にしてエンタープライズ(大企業)がゆっくり衰退の道を歩むのも 必然の結末と受けとめるべきなのであろう。これも規模の不経済の一つである」と続けています。
目的を忘れ事業規模拡大に走ったり 見せかけの経営論で社内外 果ては自らまでをごまかそうとするときに 崩壊がはじまるのです。

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