2011年4月18日月曜日

有事に弱いジャーナリズム

一昨日(4/16)NPO日本医学ジャーナリスト協会が主催する「大地震でジャーナリスト・医療者はどう動いたか―被災地からのレポート」という緊急公開シンポジウムに行ってきました。
医師・歯科医師・看護師といった医療関係者とジャーナリストが現地からの報告を行いました。
ここで感じたのは「この国の多くが 平時のルール・システムや感覚で 大震災という有事を戦っているのだ」ということ。「平和ボケ」といってしまえば身も蓋もありませんが ズレているのです。
救助や医療・介護の現場のことではありまあせん。
阪神・淡路大震災以来 現場レベルの緊急対応は 格段に進んできました。ボランティアでもそうです。
ところが 国や自治体そして職能団体の組織をつかさどる文官たちはズレまくっています。
ジャーナリストもまったく同じです。
今回のシンポジウムでも 結論を出せとはいいませんが「秋に再度開催します」というアナウンスだけで終わってはジャーナリズムの機能自体が疑われます。
課題や疑惑を白日の下にさらし 国家の軌道を修正させるだけの力がジャーナリズムにはあるはずです。
政争をあおるだけではなく ペンの力で意義ある提言を発信してください。

2011年4月13日水曜日

この期に及んで…

さきほど開催された第72回社会保障審議会介護給付費分科会において 厚生労働大臣から諮問された「被災地における訪問看護ステーションの看護師の一人開業を基準該当居宅サービスとして認める特例措置」について諮問のとおり了承する旨の結論が得られました。
特例基準の内容は
○東日本大震災に際し災害救助法が適用された市町村においては 基準該当居宅サービスとして訪問看護ステーションの人員基準を常勤(保健師・看護師・准看護師)で1以上とする
○この措置は 2011年3月11日から2012年2月29日までの間で厚生労働大臣が定める日までとする
というものです。
多くの人は長期化する被災地でのケアへの対処としては 至極まっとうな措置だと感じるはずです。
ところが あろうことか給付費分科会では 医師系の3団体と看護協会が反対を表明したのです。
この日の会合では 冒頭に被災地と被災者のために黙禱をささげ 各団体からの被災地(者)支援の報告も行われ 未曾有の震災に一致して応じていこうという了解がなされたはずです。
にもかかわらず「24時間一人で対応できるのか」「安定的は供給につながらない」など 相も変わらず2.5人の人員基準を死守しようとするかたくなな反対論。賛成論を述べたのは この日で退任する石川良一・全国市長会介護保険対策特別委員会委員長(稲城市長)ただ1人でした。
前回のブログでも述べたように 既得権を守ることにしか目が向かないようでは この国には復興などおぼつきません。

2011年4月8日金曜日

震災を理由に思考停止するな

昨日のキャリアブレインニュース https://www.cabrain.net/news/article/newsId/33537.html によると「四病院団体協議会は 2012年度に予定されている診療・介護報酬の同時改定の延期を要請する方向で検討を始める」といいます。
「同時改定のための財源について 東日本大震災からの復興のための財源確保が最優先となる中 十分な財源を得るのは難しいと見込まれるため」としています。
私には この意味が分かりません。
復興のための財源確保は喫緊の課題ですが 報酬改定を遅らせれば財源確保ができるのでしょうか。
本音は「財源確保のために自分たちの報酬に手をつけないでほしいという」という利己的なものだというのは うがちすぎな見方でしょうか。
同じく昨日開催された「社会保障改革に関する集中検討会議」の準備会合で土居丈朗慶應義塾大学教授が示した「震災復興と社会保障の強化と財政健全化の同時達成は実現可能。震災復興期に社会保障を充実させることで被災者支援にもなる。震災復興と同時並行で社会保障と税の一体改革を実行すべき」という見解のほうがしっくりきます。
震災からの復興には 衆知を集め 強い意思で未来のために考え抜くしかありません。
たとえ その結論が自らの利益に反しようとも。