2012年6月11日月曜日

いまある支え合い活かすコミュニティを

一昨日 キャンナス沼津(小風彩子代表)の主催で「地域包括ケアと訪問看護ステーションの重要性」というテーマのお話を三島市でしてきました。
こじんまりとした集まりでしたが 医療や介護の専門職だけでなく 一般の市民の方も参加してじっくり意見交換ができた有意義な会でした。
70代の男性は「日常的に不自由することはないが 体調を崩したときが問題。身近に看護師さんがいて実際的な手助けやアドバイスをしてくれることによって一人暮らしが続けられている」と実感のこもった体験談を披露してくれました。
自助・互助・共助・公助を統合し生活を支えていく「地域包括ケア」という仕組みを現実に動かしていくには 制度を横断し隙間を埋めていく存在が不可欠です。
新サービスを普及させるだけでなく いま現に機能している支え合いを専門職と市民が協働で担っていけるようなコミュニティづくりが大切だと改めて感じさせられました。

2012年6月7日木曜日

介護サービスの「顧客」満足を考える

昨日「地域包括ケア研究会」の座長を務めた田中滋慶應義塾大学教授の「地域包括ケアシステムの背景と将来展望」という講演を聞きました。
地域包括ケアシステムについて大きな示唆が得られたのはもちろんですが「顧客はだれか」という投げかけに納得がいきました。
社会保障制度のもとで「介護」を提供するのであれば 介護保険にまつわるステークホルダーの中でも「負担だけして給付を受けない大多数の理解が得られなければ 制度ビジネスは存続しえないというものです。
制度運営にあたる自治体だけでなくサービス提供事業者にとっても忘れてはいけない大切なポイントです。
であれば2025年に向けて 介護総費用は増えてはいきますが 今の倍以上必要な介護職員の1人あたりの平均給与が上昇するとは考えられず 高齢者人口は増えますが総人口は減っていく中で 負担だけが増していくという事態も想定されます。
このように 提供する側もされる側も閉塞感から抜け出せないという最悪のシナリオから抜け出すには介護サービスの生産性を向上させ「顧客」満足をアップさせていくことが欠かせないといえます。
それが可能になれば 田中教授も認めるように わが国の介護サービス(システム)が外貨を稼ぎ成長産業として国と自らの果実を富ませていくというシナリオが実現できるでしょう。