2011年2月17日木曜日

医療と介護 医師と療養者(利用者)をつなぐ専門家に期待

2月16日の中央社会保険医療協議会(中医協)の総会で 2012年度診療報酬と介護報酬の同時改定に向け「小規模薬局による在宅での薬剤師業務を進めるための医療保険上の対応」などが論点として提示されました。
「在宅患者訪問薬剤管理指導料」(薬局の薬剤師が医師からの指示で在宅患者に服薬指導などを行った際に算定)は 全国の薬局の7割強が届け出ているものの実際に算定したのは1割に満たないと 厚生労働省は報告しています。
このほか「訪問薬剤管理指導が診療・介護報酬で評価されない高齢者向け住宅・施設の入所者に対する薬剤管理指導の評価」「医師から指示を受ける前に介護支援専門員からの情報提供などによって薬剤師が訪問した場合の診療報酬上の評価」の在り方が論点として挙げられました。
たまたま この前日の15日に埼玉県薬剤師会坂越支部で講演を行い「薬剤師は 在宅介護・療養を担う専門家として ぜひ地域や在宅に足を運んでほしい」という話をしたばかりでした。
熊谷慎一同支部長のお話でも「店舗の外に目を向ける調剤薬局はごくわずか。ましてや在宅に関わっている薬剤師は例外といっていいほど」ということでした。
中医協では「薬局の7割弱が薬剤師数3人未満(常勤換算)の小規模経営で 在宅への対応には薬局業務の空いた時間を充てたり 薬局を閉じて対応したりするケースが多い」との報告がなされていますが だからこそ地域や在宅での活動が期待されます。
薬剤師会坂越支部の会場でも「報酬算定のあるなしを考える前に行動を」という提言がなされましたが まさにそのとおり。
医療と介護をつなぐ専門家の絶対的な不足が叫ばれているいまこそ ぜひアクションを起こしていただきたいと思います。