2012年4月26日木曜日

住民が主役の地域包括ケア

一昨日・昨日と長野県の佐久市周辺に行き 満開の桜のもと 命の洗濯をさせてもらいました。写真はかの「ぴんころ地蔵」で有名な佐久市野沢の成田山の参道です。
用向きは 御代田町の社会福祉協議会で講演することと 一般社団法人地域ケア総合研究所(竹重俊文所長)の「笑福庵」(しょうふくあん)におじゃますることでした。 この庵は 古民家を活用したもので 近隣のみなさんとお茶を飲みながら「困りごと」や「老後の支え合い」などを気軽に話し合うたまり場(地域住民支え合いサロン)であったり 介護人材や経営者・地域文化の継承者を育成・確保するための泊まり込みのできる研修所(地域人材育成のための寺子屋)であったり…という多機能な地域サロンです。 住民が主役となる「ほんとうの地域包括ケア」のひとつとして大いに注目です。

2012年4月23日月曜日

ネットワークではなく縁(えにし)を

週末の土曜日 ジャーナリストで国際医療福祉大学大学院教授の大熊由紀子さんの主催する「『えにし』を結ぶ会」に参加しました。
元衆議院議員でかつ元受刑者の山本譲司さんの「刑務所が障害者や高齢者の福祉の代替施設になっている」という話や社会保障・税一体改革担当大臣を務めた与謝野馨衆議院議員の「増税反対論者の3つの嘘」など たくさんの興味深い話題に接することがでしました。 なにより「えにしを結ぶ」というタイトルそのままに 柴田範子さん秋山正子さんなど 活動には共感してはいても これまで面識がなかった方々と直接お話しする機会が持てたことが一番の収穫でした。 水下明美さんからは「介護支援専門員がかかえる課題が 現場ではどういう形で露呈しているか」というとても貴重なお話しを聞くことができました。 4/27の「どうなるケアマネジメント・どうするケアマネジャー~2012年介護報酬改定のあとにくるもの」フォーラムの参考にしたいと思います。 「ネットワークが大事だ」とよく言われますが ネットワークという「システム」が大切なのではなく「人とひとが意見や情報を交換し助けあえる関係」が必要だということを改めて実感じました。

2012年4月19日木曜日

ケアマネだけの問題じゃありません

昨日 4/27に開催するフォーラム「どうなるケアマネジメント・どうするケアマネジャー~2012年介護報酬改定のあとにくるもの」のシンポジストの4人(阿部崇菅原由美高岡里佳長谷川佳和)の方々と打ち合わせを行いました。
そのままシンポジウムとして みなさんに聞いていただきたいと思う話ばかりで大いに盛り上がりました。
ケアマネジメントの将来は ケアマネジャーだけでなく介護・医療事業を提供する者すべてに そして何より利用者やその家族にとって計り知れないほど大きな意味を持っています。
ここをしっかり考え 発言・行動していかなければ 豊かな高齢社会など夢物語です。
今日 シンポジストのお一人から「当日は ライブ感たっぷりのシンポジウムになりそうですね。ケアマネジャーの新たな未来に向けて 自分なりの発信ができるといいなと思いました」というメールをいただきました。
ご期待ください。

2012年4月16日月曜日

地域医療・在宅ケアを困難にしているもの

昨日「医(いや)す者として」という映画の試写会&トークイベントに行ってきました。
「若月賞」で有名な若月俊一氏と佐久総合病院のドキュメンタリーです。
映画の前半は 若き若月医師が赴任した時代と当時を知る人々の映像が中心で 貴重なアーカイブです。
ところが後半に入ると一転 歯切れが悪くなります。
現在の佐久総合病院そして地域医療(農村医療は死語?)・在宅医療の課題が語られますが 解決の方向性はもちろん その背景さえ一般の観客に伝えられることはありません。
それほど重い困難を背負っているのは若月医師の遺産を活かしきれない病院だけのなのでしょうか それともこの時代に生きる私たち全員なのでしょうか。
トークイベントは 作家の大野更紗・一橋大学大学院社会学研究科准教授の猪飼周平・佐久総合病院にも勤務する藤井博之の各氏です。
学生の参加者の「『地域の民主化なくして医療の民主化はない』という若月氏の言葉の意味が分からない」という発言に マルキシズムや運動・闘争といった言葉や実態が「歴史」になりつつあることを実感させられました。

2012年4月12日木曜日

日本でも在宅ケアのルネッサンスを

昨日「在宅ケアのルネッサンス」という講演会に参加しました。
在宅ケアの新たな提供モデルとして注目されているオランダの"Buurtzorg"という事業者の代表のJos.de.Blokが講師です。
Buurtzorgは看護師・介護士が最大12人で独立チームを形成し あらゆるタイプの利用者にトータルなケアを提供しています。
利用者満足度はオランダでNo.1。加えて従業員満足も非常に高く 昨年 全産業を対象とした最優秀雇用者賞を受賞しています。
効率性にも優れ コストは他の事業者の半分。2007年4人で創業。現在は約450のチーム・5,000人のナースと介護士を擁し 売上高は1億8,000万ユーロ。
オランダでもっとも急成長する組織として注目されています。
刺激的な話に触発されることが多々ありました。
もっとも印象に残ったのは 彼らが制度の後追いで活動を開始したのではないということです。
クライアントの利益にフォーカスし そこから最大のアウトカムを導き出すことに専念した結果が今の姿であり 国や世界中から注目されることになったのです。
「わが国とは違う」「日本ではできない」という言葉が言い訳にしか聞こえてきません。
在宅ケアに誠心誠意打ち込んでいる多くのナースたちには 大きな励ましになったと思います。

2012年4月9日月曜日

「3.11」を風化させない会を開催

昨日「グループホーム来夢
さんの10周年記念パーティーに出席しました。
会場は隅田川の屋形船です。
絶好の花見日和で桜とスカイツリーのマッチングも最高でした。
思えば 昨年の今頃は「花見の自粛」が話題になっていました。
そんな話題が過去のものになるのは結構ですが 震災と復興への関心が低下することが懸念されます。
そんな中「キャンナスを応援する春の会」が4月16日(月)19:00から原宿の東郷記念館で開催されます。
この会は 震災直後から今日まで延べ8,000人のナースを中心としたボランティアを続けている「全国訪問ボランティアナースの会キャンナス」の活動をまとめた『ドキュメント-ボランティアナースが綴る東日本大震災』(三省堂)の出版を記念するとともに 同会と被災地で活躍した看護師たちが貴重な体験を語り合い・学び合う「同窓会」を開催するための応援をするのが目的です。
「3.11」を風化させないためにも 一人でも多くの方々が参加されることを祈っています。