2013年1月15日火曜日

薬ネット販売解禁を「他山の石」に

最高裁第2小法廷(竹内行夫裁判長)は11日インターネットなどによる医薬品の通信販売を禁止している厚生労働省令を「薬事法の趣旨に適合せず 違法で無効だ」とする判決を下しました。
厚労省は2009年6月に施行された改正薬事法の改正で 大衆薬を副作用のリスクが高い順に第1類から第3類医薬品に分類し 第1類医薬品と第2類医薬品について「店舗で対面で販売させなければならない」とネット販売を原則禁止していました。
判決は「旧薬事法で認められていたネット販売の禁止が 職業活動の自由を相当程度 制約するのは明らか」ともしています。
患者・消費者目線に立てば「対面販売でないと安全性を担保できない」という論理は いかにも時代遅れ。
「薬局へ行きたくともいけない人がいる」という事実から目をそらし ネット販売が危険であるかのような主張を繰り返し 既得権を守ることだけに執着していた業界団体には猛省を促したいと思います。
本気で経済再生を目指すなら 株価や金融政策よりも このような国民・市民をないがしろにした「内輪のなれあい的規制」を緩和し 企業活動を活性化させることが本筋なのは当然でしょう。
実際に アマゾンなどネット企業やセブン&アイ・ホールディングスなどの流通大手に加え これまで通販に反対してきたドラッグストア業界でもネット販売への参入が進むものとみられています。
薬のネット販売に限らず 日本と日本人の活力を束縛している無用な規制やしがらみは まだまだ多く残っています。
新政権が「前政権の否定」に固執して せっかく進んだ改革まで元に戻してしまうようでは 政治不信がさらに増大するだけでなく 2025年を乗り切ることなど到底できないでしょう。