2011年6月8日水曜日

あたりまえのことを行うプロが足りない

少なからず 知人からご家族の介護に関して相談を受けることがあります。
また そう多くはありませんが 一般の方向けの講演を行うこともあります。
介護に関する情報は この10年で飛躍的に伝わるようになり「ケアマネ」や「特養」といった言葉も注釈なしで使えるようになりました。
けれども 当事者となった家族の悩みが少なくなったかといえば そうは感じられません。
原因はいくつか考えられますが ひとつには介護保険制度発足時に比べ 職員数は2.4倍増 実数にして134万人を超えているにもかかわらず ケアマネジャーを筆頭とする介護職が適切な相談窓口として機能していないことが挙げられます。
急な病を得た親が入院したため 退院後のケアをどうしようかと悩んだ子どもは まず病院の医師やソーシャルワーカーに相談するのが一般的でしょう。
ところが 治療については説明できても「生活」についてアドバイスできる医療職は残念ながら多くはありません。
看護師にアドバイスを求めると「医師の指示かケアマネのプランがないと動けない」と答えます。
ではいいケアマネはどこにいるのか?
またそのケアマネが予後を見越したアドバイスをしてくれるのか?
そういったところで途方に暮れている人たちが私に相談に来ることになります。
ケアマネだけでなく介護職員や看護師にとっても相談業務は重要な役割です。
たとえ今すぐサービスを使う状況になかったとしても「いつでも相談してください」だけでなく 悩む家族を勇気づける「こちらからご様子をうかがいに行きますよ」など一歩踏み込んだ言動が必要です。
専門家としては「イロハのイ」ですが それがいつでもあたりまえに行えるようになるには 不断の研鑽が必要です。
「あたりまえのことをあたりまえに行える」のが本当のプロです。

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