2011年12月15日木曜日

みんなピントはずれでは!?

5日の社会保障審議会介護給付費分科会で「特別養護老人ホームの貸借対照表(1施設当たり平均値・2010年度末)」が示されました。
これは 一部の委員や行政刷新会議の提言型政策仕分けの提言で「特養には過大な内部留保があるのでこれを流用すれば報酬アップをする必要がない」という声に応えたものです。
多くの報道やこの意見に賛成する立場からは「1施設当たり3億円もの剰余金はけしからん」という趣旨の発言が目立っています。
しかし これらのほとんどは繰越金として使途が決まっているものだということは 業界の人間や専門家なら当然のことで 多くの施設は有り余る「剰余金」があるわけではありません。
ピントはずれもいいところなのですが 特養側からは明確な説明がありません。
さらに特養の団体は自らの存在感を示すために「科学的介護」という概念を強調していますが 誰が聞いても時代遅れのネーミングです。
また グループホームの団体は今回の報酬改定において「補足給付」を求める要望を提示しましたが これも 社会保障改革の方向性を読んでいない場違いなものでした。
その結果 グループホームケアの生命線のひとつである「フラット型報酬」が 見直しという手ひどい改定にさらされることになりました。
以前「KY」という言葉がはやりましたが それでは済まないのがプロの責任です。
業界団体が「自らの利益を守るためだけに なにがなんでも要求だけすればいい」という時代は終わったのです。

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