2009年8月4日火曜日

合理的無知な国民の選択する未来は

先日 権丈善一(けんじょうよしかず)慶應大学商学部教授の「この国の今の状況で負担増のビジョンを示さない政党には拒否権を発動するべし」という演題の講演を聞きました。権丈教授は 社会保障国民会議の委員も務め「社会保障の機能強化を図るためには税と社会保険料の負担増が必要だ」ということを明快かつ力強く論じる学者です。
教授はこの日の講演で「投票者は 合理的に行動する結果 日常的にはさほど必要度の高くない公共政策には無知になる」として これを「合理的無知」と呼びました。
投票者は 手軽に得られる情報でしかも理性よりも感情に訴えられた情報をもとに 公共政策に対して(ひとり一人がそれなりの)意見をもつことになります。
・メディアは この合理的無知な投票者に お手軽で感情に訴える情報を提供している。
・政治家は 合理的に無知な投票者に正しいことを説得することによって権力の地位をねらうことが正しい政治行為であるにもかかわらず 正しいことを説得する努力を放棄して(あるいは無知や誤解の度合いを増幅させて)無知なままの投票者に票田を求めて権力を追求するというポピュリズムに堕している。
と痛烈な批判を浴びせました。
なるほど言いえて妙と 大いに得心しました。

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