2011年9月16日金曜日

医療介護・保育は「町内会の屋台」?

昨日 日本総研と一橋大学が共催した「税・社会保障シンポジウム」に参加しました。
今般の改革について 多彩な講師から有益なレクチャーを受けました。
評価については 現在の政治状況では一定の成果を認めるというものから やらないよりはましな程度まで幅があります。
しかし この改革で今後の社会保障が安泰となるわけではないという認識は深くなりました。
多くのサゼッションの中で興味深かったもののひとつに 鈴木亘学習院大学教授の「社会保険は『町内会の夏祭りの屋台』状態。目に見える価格は安いがその裏には多額の公費負担が存在している。そのため超過需要が生じ 高コスト体質・サービスの質の低下を生む」という意見がありました。
そのため社会保険への消費税投入は避けるべきで 保険料や自己負担のアップで賄うべきだというものでした。
特に競争原理の全く働かない保育分野では 氏の懸念が現実のものとなっているといわれても反論できないのが現状でしょう。
とはいえ専門家の見解がこれほど分かれている状況で 国民=生活者が完全に合理的な行動・選択をすることは困難です。
そこに必要なのは 専門家の知見のうえに国のあり方をビジョンとして示すことでしょう。
分析だけでなく そこから「意思」を導き出すことができなければ政治の意味はありません。

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