27日の土曜日 恒例の大熊由紀子さん(国際医療福祉大学大学院教授・ジャーナリスト)の主催する「『えにし』を結ぶ会」に参加しました。
第3部「日本も、本格的な認知症の国家戦略を!!!」では 冒頭 佐藤雅彦さん(1954 年生まれ)と中村成信さん(1950年生まれ)のお二人の若年認知症の当事者が軽妙なトークを繰り広げました。
ご覧になれば 認知症に対する誤解と偏見が一挙に解消するはずです。
明るく元気に生活しているお二人ですが 認知症という診断が下ったときは立ち直れないかと思うほどのショックを受けたと語ってくれました。
中村さんの場合は スーパーで万引きした疑いで逮捕されたことがきっかけでした。自分ではお金を払わずに商品を持ち出した覚えがなく「これは冤罪だ」と繰り返しました。起訴は見送られましたが 事件後懲戒免職になりました。
そのお二人が異口同音に話したのは「できないことを悩むのではなく できることに希望を見出す」ことです。
障害や病気・年齢などの差や有無にかかわらず「お互いに声を掛け合う社会」「有用性だけを尺度にせず すべての人が等しく尊い存在であると認める社会」こそが 希望と活力を生み出してくれるでしょう。
2013年4月30日火曜日
2013年4月8日月曜日
「聖域」なき議論に期待
以前このブログで「島崎謙治政策研究大学院大学教授が医療の『フリーアクセス』について見直しを言及した」という話題を取り上げました。
学者や保険者が「フリーアクセス」の見直しを主張することは ある意味必然ではありますが ついに医療界自身からもこの問題を議論の俎上に上げようという意見が出てきました。
発端は「第6回社会保障制度改革国民会議」(3月13日開催)において 大島伸一国立長寿医療研究センター総長が「医療は相当部分壊れかかっている」としたうえで「フリーアクセスの問題を避けて通ることはできない」と発言したことです。
同日の会議でも複数の委員から賛意を示す発言が見られました。
さらには 27日開かれた第7回の同会議では「四病院団体協議会」(四病協)が「地域ごとの需要に応じた専門医の上限を設定するマンパワー規制・自由開業規制も必要」という認識を示しました。
いくらすばらしい政策や制度も 時代とともにその存在意義や形態が変化するのは当然です。
「『聖域』を設けないで議論すること」「既得権に恋々としないこと」が 活力ある社会を生み出す原動力です。
学者や保険者が「フリーアクセス」の見直しを主張することは ある意味必然ではありますが ついに医療界自身からもこの問題を議論の俎上に上げようという意見が出てきました。
発端は「第6回社会保障制度改革国民会議」(3月13日開催)において 大島伸一国立長寿医療研究センター総長が「医療は相当部分壊れかかっている」としたうえで「フリーアクセスの問題を避けて通ることはできない」と発言したことです。
同日の会議でも複数の委員から賛意を示す発言が見られました。
さらには 27日開かれた第7回の同会議では「四病院団体協議会」(四病協)が「地域ごとの需要に応じた専門医の上限を設定するマンパワー規制・自由開業規制も必要」という認識を示しました。
いくらすばらしい政策や制度も 時代とともにその存在意義や形態が変化するのは当然です。
「『聖域』を設けないで議論すること」「既得権に恋々としないこと」が 活力ある社会を生み出す原動力です。
2013年2月5日火曜日
心を打つ先駆者のエール
日曜日に「『駐在型訪問看護ステーション構想』Part2~わがまちに訪問看護ステーションを!」フォーラムに行ってきました。
「地域包括ケアの理念となっている『だれでもが望み通り住み慣れた街で最期まで住み続けることができるようにする』ための鍵となる訪問看護師=地域看護師をどう増やしていくか」がテーマです。
シンポジウムには 被災地特例を活用して一人で訪問看護ステーションを立ち上げた一関市・南相馬市・石巻市の3人の看護師が顔をそろえ 熱のこもった現地の活動を伝えてくれました。
専門家・有識者の代表として 樋口恵子高齢社会をよくする女性の会代表・山崎摩耶前衆議院議員・佐藤美穂子訪問看護財団常務理事・藤本康二前経済産業省ヘルスケア産業課長が登壇し 3名のナースにエールを送るとともに 今年3月で終了する被災地特例の延長と人員基準そのものの見直しを訴えました。また会場には「開業ナース」の草分けで 昨年フローレンス・ナイチンゲール記章を受章した在宅看護研究センターLLP代表の村松静子さんもいらっしゃいました。
30年間 周囲の無理解も意に介さず しゃにむに利用者・患者のために打ち込んできたからこそ「よくぞここまで」という感慨と同時に「まだようやくこれだけ」という不全感という矛盾した感情抱いていることを吐露してくれました。
彼女の歩んだ茨の路を想うと 激励の言葉の一つひとつが かけがえのない重みを持ったたものとして 会場の参加者すべての心を打ったように感じました。
とかく「総論賛成・各論反対」で遅々として進まない市民本位の規制改革ですが なんとかして動かせないかという思いがつのりました。
「地域包括ケアの理念となっている『だれでもが望み通り住み慣れた街で最期まで住み続けることができるようにする』ための鍵となる訪問看護師=地域看護師をどう増やしていくか」がテーマです。
シンポジウムには 被災地特例を活用して一人で訪問看護ステーションを立ち上げた一関市・南相馬市・石巻市の3人の看護師が顔をそろえ 熱のこもった現地の活動を伝えてくれました。
専門家・有識者の代表として 樋口恵子高齢社会をよくする女性の会代表・山崎摩耶前衆議院議員・佐藤美穂子訪問看護財団常務理事・藤本康二前経済産業省ヘルスケア産業課長が登壇し 3名のナースにエールを送るとともに 今年3月で終了する被災地特例の延長と人員基準そのものの見直しを訴えました。また会場には「開業ナース」の草分けで 昨年フローレンス・ナイチンゲール記章を受章した在宅看護研究センターLLP代表の村松静子さんもいらっしゃいました。
30年間 周囲の無理解も意に介さず しゃにむに利用者・患者のために打ち込んできたからこそ「よくぞここまで」という感慨と同時に「まだようやくこれだけ」という不全感という矛盾した感情抱いていることを吐露してくれました。
彼女の歩んだ茨の路を想うと 激励の言葉の一つひとつが かけがえのない重みを持ったたものとして 会場の参加者すべての心を打ったように感じました。
とかく「総論賛成・各論反対」で遅々として進まない市民本位の規制改革ですが なんとかして動かせないかという思いがつのりました。
2013年1月15日火曜日
薬ネット販売解禁を「他山の石」に
最高裁第2小法廷(竹内行夫裁判長)は11日インターネットなどによる医薬品の通信販売を禁止している厚生労働省令を「薬事法の趣旨に適合せず 違法で無効だ」とする判決を下しました。
厚労省は2009年6月に施行された改正薬事法の改正で 大衆薬を副作用のリスクが高い順に第1類から第3類医薬品に分類し 第1類医薬品と第2類医薬品について「店舗で対面で販売させなければならない」とネット販売を原則禁止していました。
判決は「旧薬事法で認められていたネット販売の禁止が 職業活動の自由を相当程度 制約するのは明らか」ともしています。
患者・消費者目線に立てば「対面販売でないと安全性を担保できない」という論理は いかにも時代遅れ。
「薬局へ行きたくともいけない人がいる」という事実から目をそらし ネット販売が危険であるかのような主張を繰り返し 既得権を守ることだけに執着していた業界団体には猛省を促したいと思います。
本気で経済再生を目指すなら 株価や金融政策よりも このような国民・市民をないがしろにした「内輪のなれあい的規制」を緩和し 企業活動を活性化させることが本筋なのは当然でしょう。
実際に アマゾンなどネット企業やセブン&アイ・ホールディングスなどの流通大手に加え これまで通販に反対してきたドラッグストア業界でもネット販売への参入が進むものとみられています。
薬のネット販売に限らず 日本と日本人の活力を束縛している無用な規制やしがらみは まだまだ多く残っています。
新政権が「前政権の否定」に固執して せっかく進んだ改革まで元に戻してしまうようでは 政治不信がさらに増大するだけでなく 2025年を乗り切ることなど到底できないでしょう。
厚労省は2009年6月に施行された改正薬事法の改正で 大衆薬を副作用のリスクが高い順に第1類から第3類医薬品に分類し 第1類医薬品と第2類医薬品について「店舗で対面で販売させなければならない」とネット販売を原則禁止していました。
判決は「旧薬事法で認められていたネット販売の禁止が 職業活動の自由を相当程度 制約するのは明らか」ともしています。
患者・消費者目線に立てば「対面販売でないと安全性を担保できない」という論理は いかにも時代遅れ。
「薬局へ行きたくともいけない人がいる」という事実から目をそらし ネット販売が危険であるかのような主張を繰り返し 既得権を守ることだけに執着していた業界団体には猛省を促したいと思います。
本気で経済再生を目指すなら 株価や金融政策よりも このような国民・市民をないがしろにした「内輪のなれあい的規制」を緩和し 企業活動を活性化させることが本筋なのは当然でしょう。
実際に アマゾンなどネット企業やセブン&アイ・ホールディングスなどの流通大手に加え これまで通販に反対してきたドラッグストア業界でもネット販売への参入が進むものとみられています。
薬のネット販売に限らず 日本と日本人の活力を束縛している無用な規制やしがらみは まだまだ多く残っています。
新政権が「前政権の否定」に固執して せっかく進んだ改革まで元に戻してしまうようでは 政治不信がさらに増大するだけでなく 2025年を乗り切ることなど到底できないでしょう。
2012年12月7日金曜日
次世代に「希望」と「誇り」を伝える
今日 文京シビックセンターで開催中のイベント「アクティブ介護24」に行ってきました。
「介護の魅力を伝えたい!」というテーマで 文京区内の介護事業所が集まって実行委員会をつくって主催しています。
私は飯塚裕久さんがコーディネーターを務める「13年後の私たちへ(2025年の介護)〜2025年の未来の介護を考える〜」というグループセッションに参加しました。
「2025年75歳を迎える世代と2025年福祉を牽引する世代との未来予想図を描く」というコンセプトで 10代から後期高齢者まで 多世代が「ワールド・カフェ」方式でワークを行うものです。
なによりうれしかったのは 若い福祉専門学校生が真摯に介護に向き合っていることが感じられたことです。
「自立支援を実践したい」という意見に対して「実習へ行って理想と現実のギャップに唖然とした」という声が上がります。
「いくら利用者とコミュニケーションを取ろうと思っても人手が足りずまるで流れ作業。これでは『自立支援』など到底ムリ」
このような一見ネガティブな意見も 彼(女)たちが真剣に考えているから生まれる悩みなんだと分かりました。
先週末は ここ3年間続けている「ISFJ 政策フォーラム」にゲストとして大学生の政策提言へアドバイスを行ってきましたが ここでも同じような若い力の可能性を見せてもらいました。
介護であれ他のビジネスであれ 次世代の「自分の携わる仕事に『希望』がそして『誇り』が欲しい」という声に応えるのは 団塊の世代以下われわれの最大の責務です。
「介護の魅力を伝えたい!」というテーマで 文京区内の介護事業所が集まって実行委員会をつくって主催しています。
私は飯塚裕久さんがコーディネーターを務める「13年後の私たちへ(2025年の介護)〜2025年の未来の介護を考える〜」というグループセッションに参加しました。
「2025年75歳を迎える世代と2025年福祉を牽引する世代との未来予想図を描く」というコンセプトで 10代から後期高齢者まで 多世代が「ワールド・カフェ」方式でワークを行うものです。
なによりうれしかったのは 若い福祉専門学校生が真摯に介護に向き合っていることが感じられたことです。
「自立支援を実践したい」という意見に対して「実習へ行って理想と現実のギャップに唖然とした」という声が上がります。
「いくら利用者とコミュニケーションを取ろうと思っても人手が足りずまるで流れ作業。これでは『自立支援』など到底ムリ」
このような一見ネガティブな意見も 彼(女)たちが真剣に考えているから生まれる悩みなんだと分かりました。
先週末は ここ3年間続けている「ISFJ 政策フォーラム」にゲストとして大学生の政策提言へアドバイスを行ってきましたが ここでも同じような若い力の可能性を見せてもらいました。
介護であれ他のビジネスであれ 次世代の「自分の携わる仕事に『希望』がそして『誇り』が欲しい」という声に応えるのは 団塊の世代以下われわれの最大の責務です。
2012年11月27日火曜日
日本を尊敬される国家に導く医療・介護
一昨日「全国在宅医療推進協会」の勉強会で武見敬三東海大学政治経済学部教授の講演を聞きました。
武見氏といえば 前参議院議員で元ニュースキャスター そしてなにより「ケンカ太郎」の異名をとった武見太郎元日本医師会長の子息として有名です。
この日の演題は「グローバル・ヘルスから見るわが国医療制度改革の系譜」で まさに政治学者として面目躍如といえる内容でした。国際社会において「わが国の保健医療が比較優位分野」であることは「すべての人々が」「受け入れ可能なコストで」「適切な医療サービスに」「アクセスできること」という2005年の Universal Coverage に関する WHO 総会決議によっても明らかだと述べました。
「"quality" "access" "cost"という3つの目標(評価基準)を同時に達成することは至難」という 先日のコラム「多職種に共通するプロトコルを」で触れた島崎謙治政策研究大学院大学教授の発言と裏腹の関係にあります。
さらに武見氏は「21世紀の国際政治において『経済大国から先導的成熟国家』としての役割を担うことが 地政学を越えた新しい外交・安全保障上のメリットを生む」と わが国の未来のあり方についても言及しました。
領土問題で揺れている日本が 軍事だけに頼らない国際社会での地位を確立する卓見だと感じました。
「わが国の医療・介護は アジアを中心に 官民一体でシステムを含めた輸出という新たなスキームを生み出すことで成長産業となり得るだけでなく 尊敬される国家という地位をもたらす」というに私の持論に大きな論拠を与えてもらったようで 意を強くしました。
ちなみに「ヤンキー先生」こと義家弘介参院議員が鞍替えして 衆議院神奈川16区から出馬するため 2007年の参院選で次点だった同氏は 繰り上げ当選を果たすことになりました。
武見氏といえば 前参議院議員で元ニュースキャスター そしてなにより「ケンカ太郎」の異名をとった武見太郎元日本医師会長の子息として有名です。
この日の演題は「グローバル・ヘルスから見るわが国医療制度改革の系譜」で まさに政治学者として面目躍如といえる内容でした。国際社会において「わが国の保健医療が比較優位分野」であることは「すべての人々が」「受け入れ可能なコストで」「適切な医療サービスに」「アクセスできること」という2005年の Universal Coverage に関する WHO 総会決議によっても明らかだと述べました。
「"quality" "access" "cost"という3つの目標(評価基準)を同時に達成することは至難」という 先日のコラム「多職種に共通するプロトコルを」で触れた島崎謙治政策研究大学院大学教授の発言と裏腹の関係にあります。
さらに武見氏は「21世紀の国際政治において『経済大国から先導的成熟国家』としての役割を担うことが 地政学を越えた新しい外交・安全保障上のメリットを生む」と わが国の未来のあり方についても言及しました。
領土問題で揺れている日本が 軍事だけに頼らない国際社会での地位を確立する卓見だと感じました。
「わが国の医療・介護は アジアを中心に 官民一体でシステムを含めた輸出という新たなスキームを生み出すことで成長産業となり得るだけでなく 尊敬される国家という地位をもたらす」というに私の持論に大きな論拠を与えてもらったようで 意を強くしました。
ちなみに「ヤンキー先生」こと義家弘介参院議員が鞍替えして 衆議院神奈川16区から出馬するため 2007年の参院選で次点だった同氏は 繰り上げ当選を果たすことになりました。
2012年11月20日火曜日
多職種に共通するプロトコルを
17日土曜日に「医療介護福祉政策研究フォーラム」(虎ノ門フォーラム)の第1回シンポジウム「医療・介護の『2025年問題』を乗り切るために」に行ってきました。代表理事は中村秀一内閣官房社会保障改革担当室長。厚生労働省老健局長や社会・援護局長を歴任し『2015年の高齢者介護』をまとめたことで名を残しました。
退官した後いったんは社会保険診療報酬支払基金の理事長に就任しましたが 再び最前線に返り咲いた敏腕行政マン(それだけに敵も少なくないでしょう)です。
入省当時の想いを初志貫徹している「公僕」の一人であることは 誰しも認めるところではないでしょうか。
わが国の医療・介護政策についてシンポジストの島崎謙治政策研究大学院大学教授は「"quality"(質の向上)・"access"(アクセスの確保)・"cost"(できるだけ低廉なコスト)という3つの目標(評価基準)を同時に達成することは至難。どれかひとつを犠牲にすることを選択せざるを得ない」と日本の医療の特長である「フリーアクセス」の見直しを示唆しました。
また地域包括ケアの鍵となる「医療と介護を横断したシームレスな連携」が進まない理由のひとつに「『インターフェース・ロス』の発生による情報やサービスの脱漏がある」と述べました。
もともと「インターフェス・ロス」とは 機種等が異なるために情報がうまく伝わらないことを意味する情報技術用語ですが 医療・介護の分野でも異なる組織・職種間で情報伝達が行われる場合には同様な現象が起きます。
医療職と介護職の間だけではなく 医師・看護師・保健師・ケアマネジャー・介護福祉士・ケースワーカーなどなど おのおのの職種間には職能・教育・思考方法に違いがあるためです。
このギャップを埋めるのは簡単なことではありません。異なる職種同士の理解には 共通のプロトコル(相互に決められた約束事)や言語が必要です。
ICF(国際生活機能分類)などもそのひとつといえますが その普及には教育システムの整備が欠かせません。
『介護経営白書2012年度版"介護維新"現場からの介護人材教育改革』の「特別座談会」で堀田聰子独立行政法人労働政策研究・研修機構研究員が述べているように「職業プロファイルの見直しと資格プロファイルの整理による横断的な教育体系の再編」がなにより必要だと改めて感じました。
退官した後いったんは社会保険診療報酬支払基金の理事長に就任しましたが 再び最前線に返り咲いた敏腕行政マン(それだけに敵も少なくないでしょう)です。
入省当時の想いを初志貫徹している「公僕」の一人であることは 誰しも認めるところではないでしょうか。
わが国の医療・介護政策についてシンポジストの島崎謙治政策研究大学院大学教授は「"quality"(質の向上)・"access"(アクセスの確保)・"cost"(できるだけ低廉なコスト)という3つの目標(評価基準)を同時に達成することは至難。どれかひとつを犠牲にすることを選択せざるを得ない」と日本の医療の特長である「フリーアクセス」の見直しを示唆しました。
また地域包括ケアの鍵となる「医療と介護を横断したシームレスな連携」が進まない理由のひとつに「『インターフェース・ロス』の発生による情報やサービスの脱漏がある」と述べました。
もともと「インターフェス・ロス」とは 機種等が異なるために情報がうまく伝わらないことを意味する情報技術用語ですが 医療・介護の分野でも異なる組織・職種間で情報伝達が行われる場合には同様な現象が起きます。
医療職と介護職の間だけではなく 医師・看護師・保健師・ケアマネジャー・介護福祉士・ケースワーカーなどなど おのおのの職種間には職能・教育・思考方法に違いがあるためです。
このギャップを埋めるのは簡単なことではありません。異なる職種同士の理解には 共通のプロトコル(相互に決められた約束事)や言語が必要です。
ICF(国際生活機能分類)などもそのひとつといえますが その普及には教育システムの整備が欠かせません。
『介護経営白書2012年度版"介護維新"現場からの介護人材教育改革』の「特別座談会」で堀田聰子独立行政法人労働政策研究・研修機構研究員が述べているように「職業プロファイルの見直しと資格プロファイルの整理による横断的な教育体系の再編」がなにより必要だと改めて感じました。
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