2009年12月17日木曜日

「キャリアパス」は事業者の創意工夫を尊重したものに

11日「介護職員のキャリアパスに関する懇談会」が開催され 介護職員処遇改善交付金の交付要件として 来年度以降新たに導入される「キャリアパス要件」について 関連団体や有識者へのヒアリングが実施されました。
この懇談会での議論などを参考に 来年3月末までに具体的な要件を決定する予定です。
私も14日に 所管の老健局振興課を訪問し 次のような意見を述べてきました。
○キャリアパス設定の目的は あくまでも「質の向上」にある
○これまで公表されてきたモデルは ほとんどが施設系団体の手によるもので 介護事業者の多くを占める 小規模事業者には適合しない
○新設される要件は 個々の事業者の創意工夫を尊重し「縛り」は設けてほしくない
○自治体の恣意的なローカルルールで 事業者を戸惑わせないでほしい

「手段が目的化」されないよう切望しています。

2009年12月14日月曜日

鳩山首相に提言しました

12月12日(土)鳩山由紀夫首相に レクチャーを行う機会を得ました。
首相が「全国ボランティアナースの会 キャンナス」の松戸支部を視察したときに 私も同行させていただいたためです。
同会の菅原由美代表・安西順子松戸支部代表とともに
●「看護師に1人開業権を認める」などの規制緩和が必要なこと
●介護や医療が「保険」事業だけにこだわらず「生活支援サービス事業」という新たな視点で 国民のニーズに応えることができれば 雇用だけでなく 社会的な富を増大させる 新たなマーケットを生み出す産業に変革できること

を説明しました。
首相も理解を示され 前向きな検討を約束していただきました。
視察終了後の記者会見でも
「キャンナス あの看護師さんの方々がね ボランティアでいいお仕事をされて 今まで公的な支援というのは介護がしっかりとやるんだけれども 公的な支援になかなか入らない生活支援のものがたくさんあるんです。そういう生活全般にわたる支援をしようとしても国の支援策がない。そこで 自分たちが手弁当でやらなきゃいけない。ある意味ではものすごくいい仕事をされているのにそういうところにうまく合うような支援策がないという思いを感じましたから ここもしっかりとですね 私は手当をする必要があると思っております」
と首相は発言され 大いに意義があったと感じています。

2009年12月4日金曜日

理不尽なローカルルール

政府が経済危機対策の一環として「介護基盤緊急整備特別対策」(3年で合計約3,000億円の事業規模)を実施して 特養やグループホームなどの施設整備を積極的に推進していることはご存知のことと思いますが 現在その活用は進んでいません。
制度がわかりにくく そのための要綱などの整備が煩雑なため 自治体の動きが悪いという点が その要因のひとつです。
対策の趣旨を理解し 積極的な活用をぜひ望むところですが 誤った理解をしている自治体があるのも事実です。
たとえば「介護基盤緊急整備等臨時特例交付金」では 小規模多機能やグループホームについては 従前は1か所当り1,500万円だった整備費の補助額が2,625万円に上乗せされていますが その対象を社会福祉法人や医療法人等の非営利法人に限定している市町村があります。
厚生労働省老健局の高齢者支援課に確認しても「国は民間企業を排除しているわけではない。そのような指導を行っている市町村があるとは承知していなかった」と述べています。
不況対策という事業目的を全く理解しない自治体の「理不尽なローカルルール」には 事業者自らが 声を上げていかなければなりません。

2009年12月3日木曜日

経済的理由で4割が有料老人ホームに入居できず

日本政策投資銀行は「民間病院の経営環境と高齢化社会へ向けた対応」と題したレポートで 2035年の介護施設利用者は 2008年時点に比べて約136万人増加すると見込んでいます。
同レポートによると 介護施設の利用者は 2035年にかけてすべての都道府県で増加が見込まれますが 介護保険3施設は 財政的な制約により 今後大幅に増加することは想定しづらいと指摘しています。
そこで 施設需要への対応としては 有料老人ホームなどの増加が期待されますが このうち39.8%の人が 経済的な問題から 有料老人ホームへの入居が困難となる可能性があるとしています。
平均的な有料老人ホームの利用者負担月額(19万円)が 介護保険3施設(平均6万9000円)と比べて高額だということが理由です。
昨日のブログに書いた療養病床の問題もそうですが 在宅誘導のためには「住」が最も大きな解決課題のひとつです。
政府には わかりづらい高齢者住宅施策の整理を速やかに望みます。
一方 事業者にとっては ニーズに対応したサービス提供が 大きなビジネスチャンスとなります。

2009年12月2日水曜日

マニフェストと国民の利益の関係

日本慢性期医療協会は11月27日 毎日新聞の社説「療養病床削減計画を実行せよ」(11月23日)に対して意見表明を行いました。
社説は 長妻昭厚生労働大臣が 民主党がマニフェストに掲げた「療養病床の削減計画の凍結」を改めて表明したことに関して「脱社会的入院の観点から理解できない」とするものです。
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20091123k0000m070110000c.html
これに対し同協会は「療養病床」についての社説には 一部に誤解と偏見があるとしたうえで
○ 2006年7月から導入となった医療区分により 急性期病院の人工呼吸器患者や重度の後遺症の患者など長期入院患者の入院が増え「社会的入院の温床」とは呼べない状況になっている
○ 最近の療養病床には 生死を境とする重度患者が多く 一般病床にも療養病床にも慢性期の医療が必要な患者が増えてきている
○ 膨大な数の疾病を抱えた高齢者への対応は 在宅サービスだけでは限界があり 療養病床数を増床させない政策のままであれば 社会的要請にとても応えられない
と訴えています。
http://jamcf.jp/chairman091126.html
「マニフェスト至上主義」は妥当なのか 在宅中心のサービス提供体制への道筋はどうつけるのか そして国民の受益と負担の観点から もう一度 議論を行うべきです。

2009年11月30日月曜日

眠っている人的資産を活かす

昨日の日本経済新聞の「歌壇」に
「公園の草取り仕事に精をだす水車を作る技持ちながら」
という入選作がありました。
介護や生活支援の分野でも 看護師・ヘルパー・保母などの有資格者の掘り起しが叫ばれています。
退職や子育てのために 潜在能力を活かせない人的資産は 質・量とも相当のものであると推測されます。
少子高齢社会が活力のある豊かなものであるためには 見逃せない視点です。
そのためには 既得権にがんじがらめになっていたり 既存の制度の枠にとらわれていてはいけません。
「地域を核」に「顔の見える人間関係を再構築する」新しい試みを許容する土壌が必要です。
「なぜ 介護支援専門員は介護保険サービスを組み込まないと報酬が発生しないのか」
「なぜ 国家資格を保有している看護師が一人で開業できないのか」
素朴な疑問を改革につなげていきましょう。

2009年11月27日金曜日

「事業仕分け」は政治ショー!?

25日に行政刷新会議の事業仕分けのワーキンググループの討議を傍聴しました。経済産業省が予算要求しているあるプロジェクトに弊社が関与しているからです。
メディアにも連日取り上げられることもあって 国民の関心も高く 予算決定のプロセスを可視化するというもくろみは成功といってもいいでしょう。
しかし わずかな時間で事業の意義を理解し 判断を下すというのは乱暴すぎます。
ノーベル賞受賞者らが抗議の声明を発したように「はじめに削減ありき」の政治的パフォーマンスといわれても仕方がありません。
国益の観点から 仕組みの見直しを強く願います。