2015年4月21日火曜日

私たちの根っこにあるもの

先週末 ゆき(大熊由紀子)さんの「えにしを結ぶ会」で 社会福祉法人新生会の石原美智子・名誉理事長とお話しする機会がありました。その折 執筆されている『厚生福祉』(時事通信社)の巻頭言をいただきました。

「5歳の誕生日」というタイトルで ニュージーランドでは小学校の入学が5歳の誕生日だという事実を視察で知った という内容です。ニュージーランドの教育システムは 子どもの理解度によって飛び級があったり 得意な学科を選んで学ぶことができるといいます。
このシステムを有効に機能させるためには 学校の教員の力量が問われるだけでなく 子どもや家庭にも自分の人生は自分で責任を持つという「自立」が欠かせない と石原さんは述べています。

市民協(認定NPO市民福祉団体全国協議会)の専務理事の田中尚輝さんは ブログ(「民主主義と福祉」4/8)で フランスの政治学者トクヴィルの『アメリカのデモクラシー』から 次のように引用しています。

「合衆国の住民は 人生の禍や悩みと戦うのに自分自身しか頼りにならぬことを生まれたときから学ぶ。社会的権威には疑い深い不安げな視線しかやらず どうしても必要な場合以外その力に訴えない。…同様の精神は社会生活のあらゆる行動に見だされる。公道に障害ができ 通行が遮断され 交通が止まったとする。住民はすぐに集まって相談し この臨時の合議体か執行権ができて 災害を復旧してしまうであろう。関係者が集まる以前から存在する なんらかの機関に頼ることを誰かが思いつくのはその後である」
田中さんは「なんという健全な民主主義をアメリカは持っていたのだろうか。いまのアメリカは 健康保険に入っていなくて困っている人を前において『君はまじめにはたらかなからこうなるのだ』という人が国民の半数入るのだ(オバマケア)」と記しています。

どちらも 福祉や介護というフィールドから 私たち日本国民のアイデンティティを真正面から問いかけています。

2015年4月8日水曜日

誰かの支えになろうとする人こそ 一番 支えを必要としています

私が参加している 医療関係者が中心のメーリングリストに ある在宅医から 次のような内容の投稿がありました。

ホスピス病棟に赴任していたころの経験。希望と現実の大きなギャップが 患者に怒りを生み出すことがある。
その矛先が 医療者である自分に向けられ「この本には病気が治ると書いてあるのに どんどん具合が悪くなるのは 先生 あなたがいけない」などと言われる。
少しでも力になりたいと思い 緩和医療・心理学・哲学・宗教など様々な勉強をするが ある患者の前では まったく歯が立たない。逃げ出したい思いになり その患者の部屋に入ることがなかなかできない。夕方遅く 勇気を出して行っても 返り討ちにあい とぼとぼ帰ってくる。
そんな日々があったそうです。

「誰かの支えになりたい…誰かの支えになりたい…そう思う私こそ 一番 支えを必要としていると学びました」
「本当の力は 自分の弱さ・無力を認める力だと思います。力になりたいと思う関係は 相手と上下の関係です。…自分の弱さを認めるとき どんなに困難な患者さん・家族でも逃げないで最期まで関わる本当の力につながることができると思います」
 と書かれていました。

心に沁み入る言葉でした。
思い出したのが マサチューセッツ工科大学(MIT)のオットー・シャーマーの著書『U理論入門』に記述してあった 以下のようなエピソードです。

「ドイツのある農村地域で 医師のネットワークによるプロジェクトが行われていた。そのネットワークが 患者・医師間でダイアログ(対話)フオーラムを行った。 
当初 患者と医師たちは うわべだけの議論や言い合いを行っていた。
ところが ある女性の「あなたがたのことがとても心配です。私たちのシステムが あなたや私たちの最高のお医者様を殺してしまうなんていやです。何かお役に立てることはないのでしょうか」という問いが医師と患者の会話パターンを一変させた。
人々は バラバラの個人として議論する一方だった通常の状態を越え お互いの関係性の構造を変化させていった」
という内容です(ちなにみ このネットワークは年中無休の医師ホットライン体制を採用し 低コストで高品質の救急サービスを提供する新しい救急コントロールセンターを設立することになったそうです)。

複雑さを増していく世界。私たちが生きていく道は 二項対立の囚われから解き放たれるところにあるのだと思います。

2014年10月27日月曜日

地域包括ケアの半歩先ゆく進み方

11月29日(土)開催のセミナー「介護報酬改定の半歩先を行く地域包括ケア事業の作り方」にゲスト講師として 齊木 大・日本総研創発戦略センターシニアマネジャー を迎えることになりました。
テーマは「地域包括ケア時代のビジネスモデル『ギャップシニア・コンソーシアム』のリリース」です。
ギャップシニアとは「虚弱~要支援の高齢者」を指す造語です。
官民一体でプラットフォームを作り 新しい生活サービスを充実させる試みで「自助に互助をミックスさせた民間の智恵」から生まれたスキームといえます。
民間の智恵が 地域包括ケアを担うイノベーションを生み出すかどうか 大きな注目を集めています。
私も「介護報酬マイナス6%改定の真相」や「機能に応じた報酬体系の姿」など ヘルスケア事業関係者なら誰でも知りたい最新の話題をお話しします。
ご参加をお待ちしています。

2014年10月14日火曜日

介護報酬6%マイナス改定の波紋

10/8の財政制度等審議会(財政審)で提起された「介護報酬の6%マイナス改定」が波紋を呼んでいます。
9日には日本慢性期医療協会の武久洋三会長が定例記者会見で 翌10日には全国老人保健施設協会の東憲太郎会長が緊急会見で 反対を表明しました。
業界では 消費税増税を受けて 報酬改定について「ある種の楽観論」も広がっていましたが 9/18付の日本経済新聞の「介護職員賃上げへ 15年度 月1万円 人手を確保 賃金以外の介護報酬を抑制」報道をきっかけに 10/3の「介護事業経営実態調査」による収支差率発表へと大きく潮目が変わりました。
もちろん財務省が介護報酬の引き下げを求めるのは毎度のことで 年末の予算編成に向けた財務省と厚生労働省の折衝次第で結果は違ってきます。
しかし今回は「介護職員処遇改善加算」を人質にとられ 特養や通所介護のマイナス改定は避けられない情勢といえるでしょう。
風雲急を告げる報酬改定と介護保険制度改革の着地点を示すセミナー「介護報酬改定の半歩先を行く地域包括ケア事業の作り方-報酬と基準を先取りし 大改革を乗り越える事業を再構築するために」を11/29(土)に開催します。
時代が求める事業構築の道筋をていねいにお示しします。
セミナー概要と申込書はこちらからどうぞ。

2014年8月27日水曜日

福岡で高齢者住宅の経営戦略をお話します

9月6日(土)福岡市でセミナー「高齢者住宅の実態から導く 『理想の住まい』と経営戦略~介護報酬改定の先を読む」(大和ハウス工業・日本医療企画共催)の基調講演を務めます。
『地域包括ケアが求める「住まい」と「住まい方」~支援・サービスと高齢者住宅~』という演題で 社会と制度の動向と利用者のニーズを踏まえ 医療法人・社会福祉法人・営利法人が 高齢者の住まい事業にどう取り組んでいけばいいのかをお話します。
診療報酬改定の影響と来年度の介護報酬の動向 さらには「ヘルスケアリート」の行方や空家を活用した低所所得者向けの住宅施策の目指すものなど 地域包括ケアシステムの構築にあわせた経営戦略をお示ししたいと思います。
参加費は無料です。
セミナー概要と申込書はこちらから入手できます。
多くのみなさまのご参加をお待ちしております。

2014年8月19日火曜日

ヘルスケアの将来像を問う新刊です!

毎年 監修ないしは編集委員を務めている『介護経営白書2014-2015年版』が刊行されました。
今年度のテーマは「介護の使命と将来像 地域包括ケア時代の『人づくり』」です。
介護の本質的使命と大きく変貌する時代の流れを踏まえ 「介護人材育成」のあり方を多角的な観点から検証し 介護と介護経営の将来ビジョンを浮き彫りにすることを念頭に置いています。
「巻頭特別対談 この国の医療と介護のあり方を問う―10年後の医療と介護そして社会の行方」では 中医協委員に加え社会保障審議会介護給付費分科会と介護保険部会の委員を兼務することになった鈴木邦彦・日本医師会常務理事と「医療と介護の連携の課題と展望」についてディスカッションを行っています。
また「第2編 概説 介護業界の未来を占う―自らの存在を問い他者の知を探れ」では 地域包括ケア時代に取り残されないためのキーポイントを述べてみました。
ぜひ ご一読いただければと思います。

2014年7月16日水曜日

ヘルスケアから生まれる日本発グローバルモデル

昨夕『介護経営白書2014年度版』の企画で 鈴木邦彦・日本医師会常務理事と対談を行いました。
テーマは「この国の医療と介護のあり方を問う―10年後の医療と介護そして社会の行方」。
鈴木氏は 直近の改選で 中医協委員に加え社会保障審議会介護給付費分科会と介護保険部会の委員を兼務するという異例の処遇となりました。
日本医師会が「地域包括ケア」とその大前提となる「医療と介護の連携」に本腰を入れた証左といえます。
詳細は 近々刊行される同書および7/19・8/23日のセミナー「給付費分科会と老人保健事業報告書から読み解く報酬改定」(申し込み受付中)でご確認いただければと思いますが 日医の覚悟が伝わってくる対談でした。
少子高齢化のトップランナーであるわが国の特性と質の高い医療を生かした「日本型」の地域包括ケアシステム構築に意欲を示していただいたことには 掛け値なしに期待したいと思います。
医療機関も介護事業者も 保険料と公費で成り立つ社会保障のスキームの中のプレイヤーだという自覚のもと「報酬誘導しかビジョンの実現手段がない」という情けない状況から脱却しなくてはなりません。
「官」ではなく「民」が主体となって築いてきた 欧州にはない しかも米国流でもない 日本発のグローバルモデルが ヘルスケアから生まれることを望んでいます。

2014年7月15日火曜日

地域づくりは私たちの手で

昨日「地域善隣事業 全国会議」に行ってきました。
これは 既存の制度では対応が難しい低所得高齢者の住まいの問題を 空家などの既存ストックを活用して住宅の確保し あわせて生活支援を提供する新しい事業スキームを全国に広めようと高齢者住宅財団が中心となって行っている試みです。
この日は ここから生まれた厚生労働省の「低所得高齢者等住まい・生活支援モデル事業」を実施する自治体の事例が発表されました。
私が特に関心を引き付けられたのは福岡市のモデル事業です。
保証人が確保できずに地域で自立した生活を送れない高齢者の入居を支援するため「自社保証方式」を導入し 高齢者の住宅あっせんに消極的な不動産会社を巻き込んで 高齢者・家主・不動産会社などのステークホルダーが Win-Win の関係を構築していく Fundraising の手法を取り入れていることです。
政府や自治体の財源に頼った社会保障や地域づくりからの脱却が「地域包括ケア」の大きな特徴です。
このような「お上」をあてにしない民間と自治体のコラボがさらに加速することを期待しています。
7/19・8月23日のセミナー「給付費分科会と老人保健事業報告書から読み解く報酬改定」では これら最先端のトレンドに事業者がどう取り組んでいけばいいかをじっくりお話します。
まだ申し込みを受け付けていますので ご参加をお待ちしています(両日は無理でも どちらかの日程だけのご参加も歓迎します)。

2014年5月9日金曜日

東北の自治体が消滅してイーグルスだけが栄える!?

今朝「日本の人口が減ると 2040年には全国1800市区町村の半分の存続が難しくなる」というの報道ありました。
半減する自治体には 青森市や秋田市など県庁所在地も含まれ 東北4県と島根県で全市町村の8割以上が半減という驚くべき推計も示されていました。
一方 プロ野球観客動員数をみると 東北に本拠地を置く楽天イーグルスが36%アップと最高の伸びを見せています。
2007年に米国版『流行語大賞(Oxford Word Of The Year)』を受賞した"locavore"という言葉があります。
"locavore" というのは"local" (地元)に "-vore" (-を食べるもの)という接尾語が付いた造語です。
「地元食愛好家」「地産地消主義者」といったニュアンスでしょうか。
こういった地方の崩壊傾向と地元志向の強まりという一見矛盾した現象が同じように高まりを見せています。
第6期介護保険事業計画の策定を控え 多くの基礎自治体から「地域包括ケアといわれても当地ではきわめて困難」「互助による生活支援は絵に描いた餅」といった声も漏れ聞こえてきます。
行政の責務はさらに重要性を増したといわれますが なにより地域・コミュニティを構成する「人」の存在を忘れてはいけないでしょう。
「~べき」ではなく「~なりたい」という私たちの思いをコミュニティ全体でシェアできれば ため息ばかりの将来とは決してならないはずです。

2014年3月18日火曜日

社会貢献しない社会福祉法人!?

今日の日本経済新聞に「社会貢献義務付けに慎重」という見出しで 次のような記事が掲載されました。
「政府の規制改革会議(議長・岡素之住友商事相談役)は17日の会合で 社会福祉法人に一定の社会貢献活動を義務付けるよう厚生労働省に求めた。社会福祉法人は補助金や税制面で優遇措置を受けており 一般の企業と競争条件を等しくする狙い。厚労省は『形式的に義務付けるのでなく 実態をみて考えたい』と応じ 義務付けに慎重な姿勢を示した」
一連の社会福祉法人改革の求めに応じた対応ですが この見出しに違和感を覚える人は少なくないはずです。
議事録はまだ公表されていないので 正確な論旨はわかりませんが 固定資産税課税や特養などの参入規制の撤廃など イコールフットの論点やその是非には 多様な視点があるのは理解できます。
けれども「社会貢献」の「義務付け」とは驚きです。
つまり「社会貢献を目的としない」社会福祉法人が存在するということになります。
このレベルの法人は「即法人格の取消」しか道はないはずです。

2014年1月23日木曜日

社会福祉法人・医療法人の聖域にメス

日本時間の本日未明 安倍晋三首相はダボス会議(世界経済フォーラム年次総会)の基調講演で「岩盤規制」について「向こう2年間いかなる既得権益といえども私の『ドリル』から無傷でいられない」と改革に着手する決意を表明しました。
20日の産業競争力会議(議長:安倍晋三首相)においても 首相は「医療・介護 農業を新たな成長エンジンにするべく改革を進める」として新たな成長戦略の検討方針案が示されました。
具体的に示された政策は 複数の医療法人や社会福祉法人をまとめて運営できる「非営利ホールディングカンパニー型法人制度(仮称)」の創設です。
持ち株会社を解禁すれば 病院や介護施設を一体運営でき経営の効率化が見込め 施設間の役割分担が進めやすくなるとしています。
社会福祉法人・医療法人の改革は 長年課題とされてきましたが 既得権者の抵抗でまさに「岩盤」のような聖域でした。
ぜひメスを入れてもらいたいと思いますが これが一部の関係者に新たな権益をもたらすことに終わらないように 国民利益の観点から取り組んでほしいものです。

2013年11月20日水曜日

感度が鈍い介護事業者

昨日「持続可能な社会保障制度の確立を図るための改革の推進に関する法律案」通称「プログラム法案」が衆議院本会議で可決されました。
このプログラム法案は「社会保障制度改革国民会議」の報告書を受け 社会保障4分野(少子化・医療・介護・年金)の改革のスケジュールを定たものですが 5日間・延べ25時間というわずかな審議で採決に至りました。
この法案は単に「いつ法案を提出するか」という工程を定めただけではなく 改革すべきアイテムが明示されています。
介護保険分野でいえば 2015年度から「一定上の所得の者の2割負担」「要支援者のサービスの市町村事業への移行」はこれで決定したことになります。
したがって これからの社会保障審議会介護保険部会のとりまとめは「線引き」がどこになるのかがその中心になるといえます。
にもかかわらず 介護保険関係者の反応は鈍いといっても過言ではありません。
「具体的な改革は 来年の通常国会以降に提出される個別法案が成立しないと実現しない」という報道や説明を鵜のみにしているのでしょうか。
あるいは「あきらめ」の心境なのでしょうか。
自らが「制度ビジネス」「国策マーケット」で事業を行っているという自覚が乏しすぎるようです。
法改正が成ってから「反対」を声高に叫ぶという旧来のスタイルは通用しません。
国民や社会に理解される「提言」を積極的に発信するという転換が一日でも早く必要です。

2013年11月7日木曜日

個性を格差と言い換えるな

昨日 田村憲久厚生労働大臣は 大衆薬のインターネット販売で 市販直後の薬は対面の発売から最長3年・ネット販売を禁じる販売の新しいルールを適用する方針を明らかにしました。
薬のインターネット販売は「規制改革の象徴」ともいわれていましたが「後退」のイメージはぬぐえません。
大田弘子政策研究大学院大学教授は5日付けの日本経済新聞で「規制改革を阻むものは さまざまな衣をまとった『それぞれの事情』である。…『それぞれの事情』のなかでもっとも強いのは『競争したくない』という事業者側の意識だろう。競争がないほど楽なことはないから 競争を避けたいがゆえの抵抗は非常に強い」(経済教室「競争避ける意識との戦い」)と述べています。
8月30日付のブログでも書いたように 役所・行政を隠れ蓑にした最大の「抵抗勢力」は事業者自身です。
社会保障審議会介護保険部会における議論でも抵抗勢力は金科玉条のように「格差」を論拠に改革を否定します。
全国一律が求められるのはナショナルミニマムの観点です。
それを超えるサービスレベルの違いは「格差」ではなく「個性」であり「独自性」です。
この視点が欠けていては「事業(者)栄えて国(民)滅ぶ」ことになってしまうでしょう。

2013年8月30日金曜日

誰がじゃましているのか!?

今朝の日本経済新聞に「規制改革『押す』より『引っ張る』」というタイトルで 次のようなコラムが掲載されていました。
「規制改革会議が努力を続けているが 遅々として進んでいないようだ。…なぜだろう。根因は 規制国家・日本のお国柄そのものにあるのではないか。…医療も農業も 業界を競争にさらせば消費者に弊害が及ぶという論理が立ちはだかる。競争を排除して非効率を温存する気風が根強い。…規制を批判する民間も実は 規制を歓迎する文化が染みついている」(大機小機)
まさに介護「保険」ビジネスにかかわる多くの事業者・団体に共通する旧弊です。
最近 ある介護経営誌の座談会でサービス業大手の創業者が「他者の参入を防ぐため業界内で囲い込みしている『民々規制』のようだ。業者間だけで通用する言葉ではなく 利用者にわかる言葉で話す開かれた業界にしていく自助努力が必要」という趣旨の発言をされました。
小さな既得権にしがみつき うまくいかなければ「制度が悪い」「国が悪い」で済ませていませんか。
社会や国民・顧客のニーズを先取りして 新商品やサービスを創造することが民間事業者の使命です。

2013年6月10日月曜日

女はつらいよ!?

6/8土曜日 日本経済新聞朝刊の「記者手帳」に 宮城5区選出の自民党衆議院議員・大久保三代さんのことが「新人議員のイシバ症候群」というタイトルで取り上げられていました。
新人議員の大久保さんは 6/4付のブログで 石破茂幹事長が夏の参院選に向けて所属衆院議員に課した「参院選候補と並んだ『2連ポスター』を地元に1,000枚張れ」というノルマに「胃が痛い。ストレス性イシバ症候群だわ。説教されたからってポスターは1枚も増えないのに」とつぶやきました。
大久保さんは 子育ての合間を縫い自身でも張っていますが まだ100枚。幹事長に呼び出されるとの噂を耳にして 心情を吐露しました。
大久保さんは ブログは随所で「家庭と仕事」や「子育てと政治活動」の両立の困難さを訴えています。
しかし 彼女は単に弱音を吐いているだけではありません。
別の日のブログでは「年齢も性別も経験も関係ないのが政治の世界。問われるのは『これまでの生き方』『これからの覚悟』だけなのです」と宣言しています。
これまでの日本の「少子化対策」「子育て支援」がお世辞も効果があったといえないのは「女性の新しい生き方や働き方」を旧態依然のオジサマ政治家や官僚が全くといいていいほど理解できていなかっかたらだと感じています。
大久保さん がんばって!

2013年5月27日月曜日

5/26シンポジストの方に質問させていただきます

昨日 ドクターズ・デモンストレーションシンポジウム「日本の医療・福祉の危機とゆくえ~参議院選挙へむけて政策を問う」に参加してきました。
ここ10数年支持政党がなくなり いわゆる「無党派層」化した自分自身の投票行動につながる話を聞きたいと 個人的には期待していました。
残念ながら その期待はかないませんでした。
各シンポジストのプレゼンそのものが期待外れだったわけではありません。
新鮮な意見や「またか」とうんざりする主張などなど たいへん参考になりました。
せっかく各党の国会議員に参加してもらったのであれば 主催者にはタイトル通り「政策を問う」ていただきたかったのです。
あるいは 特定のシンポジストや主催者の主張を投げかけるより 参加者からの(意見ではなく)質問を受けたほうが どれほど有意義だったかと感じました。
せっかくですので このブログで参加された議員の方に質問をさせていただきたいと思います。
できればこのブログ上にご回答を寄せていただければ幸いです。
よろしくお願いします。
【質問】
いまわが国の社会保障とりわけ医療保険制度や介護保険制度を「国民・市民のために」持続可能とするためには できる限り「シンプル」にすべきだと考えています。
「低所得者対策」は欠かすことはできませんが それを保険制度の中に組み込むと 複雑化するばかりでなく 特定の既得権者の利益保護や利益誘導につながります。低所得者対策は個別制度ではなく「スティグマ」を払拭しながら 社会福祉や社会保障という上の次元で解決すべきだと考えていますがいかがでしょうか?
このシンポジウムでも「日本のため・社会のため・国民のため」といいながら その実 自らの利益に固執する業界・職能団体の主張が目につきました。
介護保険制度で一つ例を挙げるならば「補足給付」をなくすことです。
医療保険制度でいえば 直接の低所得者対策からは離れますが 皆保険を守るための方策の一つが「現状」の「フリーアクセス」を変えることです。
一部の団体は「フリーアクセスはわが国の『国民皆保険』の優れた点で守るべき」といいながら 国民の利益ではなく自分たちの利益を守りたいからではないか と思えてなりません。
たとえば生活圏域(医療圏)内ではアクセスフリーとするが それを越えれば保険外とするなど 保険制度を守りつつ市民に不利益を与えない方法はあるはずです。優先すべきは「専門性のある家庭医」の育成ではないかと考えます。
以上です。

2013年5月22日水曜日

特養のレゾンデートルを明らかに

15日のブログ「社会福祉法人制度にメスが?!」で書いたように「久しく手つかずの状況にあった社会福祉法人改革」がいよいよ本格的に着手されるようです。
昨日の社会保障審議会介護給付費分科会の介護事業経営調査委員会(委員長:田中滋慶応大学大学院教授)で「特別養護老人ホームの内部留保」について報告・審議が行われました。
1施設あたりの「実在内部留保=内部資金の蓄積額のうち現在事業体が未使用の状態で保持している額」は1億5563万円「発生源内部留保=内部留保の源泉で捉えた『貸借対照表の貸し方に計上されている内部資金』」は3億1373万円と報告されました。
内部留保の多寡の判定では「実在内部留保が多い」と判定された特養は約3割 「少ない」とされたのものは約5割でした。
「特養の内部留保をめぐる議論は『埋蔵金論争』として今後社福法人全体に広がる可能性がある」(5月22日付日本経済新聞)という報道もありますが 施設ごとにバラツキもあるため この調査結果だけをもって「特養は『溜め込みすぎ』だ」と決めつけるのは短絡的すぎるでしょう。
それよりも大切なことは 社会福祉法人としての「レゾンデートル:raison d'être(存在意義)」を明らかにすること 言い換えれば「役割」「機能」と「展望」を 市民や地域に積極的にアピールすることができるか否かにあります。

2013年5月21日火曜日

「地域包括ケア」を否定する政府?!

昨年「高齢者は「地方」で暮らせ!?」というブログを書きましたが いよいよ昨日から「都市部の高齢化対策に関する検討会」の審議が始まりました。
各紙の報道は「『これから都市部で生じる爆発的な介護需要の増加にどう対応するか。待ったなしだ。』原勝則老健局長は検討会で述べた」(朝日新聞)など「大本営発表」的な色彩を強く感じます。
「日本版のCCRCを提言」
「要介護状態になってからでは難しい。退職した時点からの転入が望ましい」
など委員の発言を聞いても すでにわが国では受け入れられなったコンセプトの蒸し返しにしか思えません。
なにより昨年も書いたように 政府方針の「地域包括ケア」を自ら否定してとどう整合性をとるつもりなのでしょうか。 

2013年5月15日水曜日

社会福祉法人制度にメスが?!

13日付の「日本経済新聞」は「政府 病院再編へ新型法人を検討 地域ごとに一体経営」という見出しで報道をしています。
明日の「経済財政諮問会議」(議長・安倍晋三首相)で「医療法人同士の合併や権利の移転をしやすくなるよう医療法人制度の規制緩和を進めるべきだ」との提言が行われるという内容です。
これは社会福祉法人にとって 決して「対岸の火事」ではありません。
「社会保障制度改革国民会議」の議論でも
○医療法人制度及び社会福祉法人制度については 新しいまちづくりを促進する仕組みの構築が必要であり 具体的には、医療法人制度(及び社会福祉法人制度)の経営統合を促進する制度 医療法人(及び社会福祉法人)の「非営利性」を担保しつつ都市再開発に参加できるようにする制度 ヘルスケアも含むコンパクトシティに対する資金調達手段を促進する制度など総合的な規制の見直しが必要。
○社会福祉法人こそ 経営の合理化・近代化が必要。大規模化や複数法人の連携を推進。加えて社会福祉法人非課税扱いとされているに相応しい 国家や地域への貢献が求められるべき。低所得者の住まいや生活支援などに積極的に取り組むべき。
とされているのです。
日経の報道は この政府方針に基づいたものです。
となれば 次に来るのは 間違いなく 久しく手つかずの状況にあった社会福祉法人改革ということです。

2013年4月30日火曜日

偏見と誤解を乗り越えて

27日の土曜日 恒例の大熊由紀子さん(国際医療福祉大学大学院教授・ジャーナリスト)の主催する「『えにし』を結ぶ会」に参加しました。
第3部「日本も、本格的な認知症の国家戦略を!!!」では 冒頭 佐藤雅彦さん(1954 年生まれ)と中村成信さん(1950年生まれ)のお二人の若年認知症の当事者が軽妙なトークを繰り広げました。
ご覧になれば 認知症に対する誤解と偏見が一挙に解消するはずです。
明るく元気に生活しているお二人ですが 認知症という診断が下ったときは立ち直れないかと思うほどのショックを受けたと語ってくれました。
中村さんの場合は スーパーで万引きした疑いで逮捕されたことがきっかけでした。自分ではお金を払わずに商品を持ち出した覚えがなく「これは冤罪だ」と繰り返しました。起訴は見送られましたが 事件後懲戒免職になりました。
そのお二人が異口同音に話したのは「できないことを悩むのではなく できることに希望を見出す」ことです。
障害や病気・年齢などの差や有無にかかわらず「お互いに声を掛け合う社会」「有用性だけを尺度にせず すべての人が等しく尊い存在であると認める社会」こそが 希望と活力を生み出してくれるでしょう。